生命保険(死亡保険)と医療保険の違いとは?どちらに加入すべき?
保険を検討する際には、「生命保険」や「医療保険」という用語がよく出てきますが、「生命保険」と「医療保険」はどのように違うのか理解されているでしょうか?「生命保険」と「医療保険」はどちらに加入すべきなのでしょうか?
保険は専門用語が多いのでよく分からないという方が多いと思います。みなさまが「生命保険」と「医療保険」について感じている下記のような疑問について解説します。
・「生命保険」と「医療保険」の違いとは?
・「生命保険」と「医療保険」のどちらに加入すべきか?
・「生命保険」と「医療保険」はセットで加入すべきか?
目次
1.生命保険(死亡保険)とは?
生命保険(死亡保険)とは、万が一(死亡)に対する備えをする保険です。被保険者(保障の対象者)が死亡・高度障害状態になった場合に保障され、死亡保険金または、高度障害保険金が支払われます。
「生命保険」といったときに、死亡の保障だけでなく、病気やケガ、介護など人間の身体に対するリスクを保障する保険という意味で使うこともあります。よって、この場合の「生命保険」には、死亡保険だけなく、医療保険や三大疾病保障保険、がん保険、介護保険なども含まれます。
「生命保険」という言葉に明確な定義はなく、上記のような2つの意味で使われますが、今回は「生命保険」=「死亡保険」という定義でお話をします。
2.生命保険の種類(3つの基本形)
生命保険(死亡保険)を検討する際には、いろいろな種類があって、何を選んだらいいかと困る方も多いと思いますが、実は、生命保険(死亡保険)の基本形は3つしかありません。
定期保険
定期保険には、保険期間が「10年間」、「20年間」等の年満期や「60歳」、「70歳」まで保障がある歳満期があり、一定期間を保障する保険です。保険期間10年の定期保険などは満期が来ると一定年齢まで自動更新します。
参考:生命保険の満期とは?
被保険者(保障の対象者)が死亡または、高度障害状態になったときに保険金が支払われます。
定期保険は原則、掛け捨てで解約返戻金はないか、あってもごくわずかです。満期保険金もないため、貯蓄性はありません。
定期保険は、一定期間の保障であり、養老保険のように満期保険金がないため、同じ保障額(保険金額)であれば、終身保険や養老保険に比べると保険料が安くなります。安い保険料で大きな保障が確保できるため、借入金対策等で活用されます。
また、子供が独立するまでの保障など、期間が決まっているリスクへの備えにも活用できます。
参考:定期保険の特徴(メリット・デメリット)
終身保険
終身保険は、その名の通り、保険期間は終身で、被保険者(保障の対象者)が亡くなるまで一生涯の保障があります。定期保険、養老保険のように満期がないので、保障切れの心配はありません。
被保険者(保障の対象者)が死亡または、高度障害状態になったときに保険金が支払われます。
加入から一定期間経過後に解約する場合、解約返戻金が受け取れます。つまり、掛け捨てではありません。保障だけでなく、貯蓄性がある保険です。
参考:終身保険の特徴(メリット・デメリット)
養老保険
養老保険には、保険期間が「10年間」、「20年間」等の年満期や「60歳」、「70歳」まで保障がある歳満期があり、一定期間を保障する保険です。
万が一の際の保障と、満期時には保険金額と同額の満期保険金がありますので、保障と貯蓄を兼ね備えた保険で、「生死混合保険」と呼ばれています。死亡のリスクをカバーしながら貯蓄することが可能です。
解約返戻金もありますが、契約後、早期に解約する場合には払込保険料を割り込みます。
参考:養老保険の特徴(メリット・デメリット)
3.医療保険とは?
日本は「国民皆保険制度」なので、日本国民であれば、何かしらの公的医療保険制度に加入しています。よって、医療費の窓口負担は原則、3割となっています。
民間の医療保険には、公的医療保険の補完としての役割があり、病気やケガで入院したり、所定の手術を受けたときに、給付金が受け取れます。最近では、通院した時にも通院給付金が受取れる医療保険もあります。また、先進医療の費用を保障する特約なども一般的になっています。
被保険者が死亡した際に死亡保険金が受け取れる医療保険もありますが、保険金は少額です。
4.生命保険と医療保険の違いとは?どちらに加入すべき?
生命保険(死亡保険)は被保険者(保障の対象者)が亡くなった際の保障が加入の目的です。死亡保険金は、保険金受取人として指定された配偶者や子供などのご家族が受け取ることになります。
生命保険(死亡保険)は、被保険者(保障の対象者)に万が一のことがあった場合に残された家族の生活費などに備えることが加入の目的となります。
一方、医療保険の給付金の受取人は、原則、被保険者(保障の対象者)です。医療保険は被保険者が生きている間の医療費の補てんが目的の商品です。
また、医療保険は、医療費の自己負担分だけでなく、差額ベット代、先進医療の技術料など公的医療保険の対象外となる費用について備えることも可能です。
上記の通り、生命保険(死亡保険)と医療保険では加入の目的が全く異なります。よって、「生命保険と医療保険のどちらに加入すべきか?」という質問はナンセンスで、加入の目的が違うので、必要であれば、どちらにも加入すべきだといえます。
5.生命保険(死亡保険)と医療保険はセットで加入すべきか?
以前は、生命保険(死亡保険)の特約として医療保障をセットする契約が一般的でした。今でも生命保険の特約として医療保障をセットされている方は多いと思います。実際に保障内容の見直し(相談)に来られる方の中にも多くいらっしゃいます。
逆に医療保険の特約として終身保険(死亡保険)をセットすることも可能です。設定できる保険金額(保障額)は保険会社によって異なる場合があり、100万円~500万円程度です。
「生命保険」に医療保障を特約としてセットすることも、「医療保険」に死亡保障をセットすることもおすすめはできません。特約としてセットすると、主契約部分を解約して特約部分だけを残すということできませんので、見直しの柔軟性が低くなってしまうからです。
よって、生命保険(死亡保険)と医療保険は、それぞれ別々の契約にする方がベターです。
参考:特約で主契約に保障を追加する2つのメリット、3つのデメリット
まとめ
上記の通り、生命保険と医療保険は保障内容が異なり、加入の目的が異なります。よって、生命保険(死亡保険)か医療保険のどちらかに加入すればいいということではありません。
必要であれば、どちらにも加入すべきといえますし、不要と判断できれば、どちらにも加入する必要はないという場合もあります。
・どのような保険を選んだらいいのかわからない
・今、加入している生命保険が、どのような保障内容になっているか確認してもらいたい
・見直し方をアドバイスして欲しいが、誰に相談していいか分からない など
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