生命保険を解約する場合に注意すべき6つのポイント

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保障内容の見直しなどで生命保険の解約を検討することもあると思いますが、安易に解約するとあとで後悔することになる可能性があります。

生命保険は解約すると原則、二度と同じ条件での契約を取り戻すことはできません。したがって、解約をする際は慎重に検討する必要があります。

今回は生命保険を解約する場合に知っておいて頂きたいポイントをご紹介します。解約を検討する際の参考にして頂ければと思います。

目次

1.「お宝保険」の可能性あり

バブルの頃の契約では、5.5%という予定利率の商品もありましたが、ここ20年以上、生命保険の予定利率は下がり続けています。各保険会社が予定利率決定の際に参考にする「標準利率」は、現在0.25%です。

予定利率とは、保険会社が契約者に約束する責任準備金の運用利回りのことです。約束した予定利率分だけ運用益が出ることを前提に保険料を安く(割引)設定しています。

つまり、予定利率が下がれば割引率は下がるので、保険料は上がることになります。逆に予定利率が上がれば、割引率は上がるので、保険料が下がることになります。

予定利率と保険料の関係をまとめると以下のようになっています。

予定利率と保険料の関係
予定利率下がる ⇒ 保険料上がる
予定利率上がる ⇒ 保険料下がる
参考:なぜ、予定利率が下がると生命保険の保険料は上がるのか?

 

一般的な生命保険は契約時に予定利率が固定され、市場の金利が上下しても予定利率が変動することはありません。現在は予定利率が低い状態なので、予定利率が高い時の契約は「お宝保険」と呼ばれることがあります。

何も考えずに解約すると、実はそれが「お宝保険」だったという可能性があります。 契約している保険の予定利率を確認し、「お宝保険」であれば解約しない方が賢明といえるでしょう。

尚、保険の見直し時には、解約以外の方法もありますので、そちらもご検討下さい。

 

 

2.転換も解約と同じ

保険の営業や外交員から転換をすすめられることがあると思います。「転換」という言葉を使わず、「今の契約を下取りして新しい契約に乗り換えましょう」という言い方をするかもしれません。

 

転換は現状の契約の積立配当金や解約返戻金を活用して新しい契約をすることになるので、現在の契約は解約することになります。仮に予定利率の高い契約を転換するということになれば、「お宝保険」を解約して予定利率が下がった契約に乗り換えることになります。

転換の仕方にもよりますが、転換によって保険料負担はほとんど変わらないのに保障額が大きくなることがあります。しかし、後々の保険料は更新によって上がり、トータルコスト(総支払込保険料)で考えると非常に高くつくという事例もありますので、「転換」には注意が必要です。

転換制度とは?
転換制度とは、現在の契約を利用して、新しい保険に加入する方法です。現契約の解約返戻金や積立配当金を「転換(下取り)価格」として新しい生命保険契約の保険料の一部にあてます。転換すると元の契約は消滅します。

 

 

3.再加入時は保険料が上がる

生命保険を一度解約して再契約する必要がある場合、再加入時の年齢で保険料は計算されます。 年齢が上がれば保険料は上がります。

例)35歳で加入した終身保険を解約し、40歳で再加入する

商品:終身保険
保険金額:5,000万円
被保険者:男性
払込期間:65歳払済

●35歳で加入
月額保険料:123,100円
総支払込保険料:44,316,000円

●40歳で加入
月額保険料:151,150円
総支払込保険料:45,345,000円

 

40歳で加入する場合の方が月額保険料が高くなることは、当然と思われるかもしれませんが、40歳から加入する場合、35歳で加入するときよりも65歳までの保険料払込期間が5年短くなるにも関わらず、払込保険料総額でも約100万円も高くなります。

 

 

4.健康面の問題

年齢が上がってからの生命保険への再加入は保険料が上がるということと、もう1点、健康面での問題が発生する可能性があります。

健康の状況によっては加入できないか特別条件(保険料の割増等)が付くことがあります。

 

最近では持病があっても加入できる保険もありますが、一般の方が加入する商品に比べて保険料が高いことや一定期間、保障が削減される等のデメリットがあります。

 

 

5.特約も解約になる

生命保険や医療保険などは、主契約に特約をセットして加入している方が多くいらっしゃります。

その主契約を解約すると特約も解約となります。特約のみを残すことはできません。

例えば、主契約である定期保険に特約として医療保障特約がセットされている場合、主契約である定期保険を解約すると、医療保障特約も解約となります。特約である医療保障特約のみを残すことはできません。

生命保険や医療保険を解約する際には、どような特約をセットしていたかを確認するようご注意ください。

主契約と特約
主契約とは、保険契約の基本となる保障です。一方、特約とは、主契約の保障を充実させるオプションの保障です。

主契約がメインの保障で、特約がオプションの保障となります。生命保険契約は主契約(メイン)と特約(オプション)の組み合わせで構成されています。

主契約としては、終身保険、定期保険、養老保険、医療保険などがあり、特約としては、定期保険特約、三大疾病保障特約、女性疾病特約、先進医療特約、災害割増特約、などがあります。

 

 

6.現契約を先に解約しない

仮に現在加入している契約を解約し、新しい商品を契約するような見直しを行う場合、新しい契約が成立してから古い契約を解約することが重要です。

先に古い契約を解約してしまうと、新しい契約が成立するまでの間が保障のない空白期間(無保険状態)になってしまいます。その間に万が一のことがあれば大変なことです。

 

また、新しい契約が告知や診査の内容によって、引受不可となった場合、先に解約した古い契約を取り戻すことはできません。

上記の通り、古い契約を先に解約すると大きなデメリットが発生する可能性があるので、新しい契約が成立するまでは、無駄に感じるかもしれませんが、古い契約の保険料も重複して払うくらいの考え方が必要になります。

 

 

まとめ

上記の通り、生命保険の解約にはデメリットが発生する可能性がいくつかあるので、注意が必要です。慎重に検討を行った上で解約を判断するようにして頂ければと思います。

 

生命保険は長期の契約なので、様々な理由で解約が必要となる場合もあると思いますが、営業や外交員から見直しをすすめられ、現在の契約を解約し、新しい商品に加入することもあるでしょう。

安易な見直しによる解約には注意が必要です。その見直しは保険会社や外交員にとって有利な見直しであって、契約者にとっては不利益になる可能性もあります。残念なことですが、自分の利益ばかり考える営業や外交員がいることも事実です。

見直しをすすめられて、少しでも疑問点があったり、判断に迷うことがあれば別の専門家にセカンドオピニオン的な助言を求める方が賢明でしょう。

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