国民年金基金と個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)を比較|どちらに加入すべき?

国民年金基金と個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)を比較|どちらに加入すべき?

国民年金基金個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、拠出枠が同枠で、2制度の掛金を合わせての拠出限度額は月額68,000円(年間816,000円)までです。

拠出枠が同枠なので、どちらの制度に加入すべきなのか迷われる個人開業医の方もいらっしゃると思います。

国民年金基金と個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の違いについて解説します。国民年金基金と個人型確定拠出年金の違いを理解し、どちらに加入するかを決める際の参考にして頂ければと思います。


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目次

1.国民年金基金は確定給付、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は確定拠出

国民年金基金は、将来受け取れる年金額が決まっている確定給付の制度です。

一方、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、将来受け取れる給付の額は決まっていません。加入者の運用次第で、60歳以降に受け取れる一時金や年金の額が異なります。

積立金の運用が上手くいかなければ、拠出した掛金を受け取る給付金が下回る元本割れが発生する可能性もあります。元本割れが発生しても自己責任なので、運用損は誰も補てんはしてくれません

 

 

2.手数料の違い

国民年金基金は、加入等に際して一切手数料は必要ありません

一方、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、加入時に2,777円、掛金拠出時に月額167円の手数料が最低限必要です。運営管理機関によっては、上記以外に更に手数料を徴収されます。

例えば、SBI証券や楽天証券を運営管理機関に選んだ場合、口座管理手数料等は無料のため、加入時の手数料は2,777円、掛金拠出時の手数料は月額167円です。

しかし、ある運営管理機関の加入時の手数料は3,857円、掛金拠出時の手数料は月額579円かかります。

尚、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は掛金を拠出せず運用のみを行う期間や給付を受ける際にも手数料がかかります

 

 

3.個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)はインフレに強い?

国民年金基金に物価スライドの制度はありません。よって、インフレになった場合、実質的に年金額が目減りする可能性があります。

例えば、現在120円で買える缶コーヒーがインフレで10倍の1,200円になったとします。物価が10倍になると、相対的にお金の価値は10分の1になります。仮に年金を年間120万円受け取れるとしても、物価が10倍になれば、実質的には12万円の価値しかないことになってしまいます。

個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の場合、インフレに強い投資信託等の商品で運用することも可能です。よって、今後インフレを予想するのであれば、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)を選択した方がいいでしょう。

 

 

4.国民年金基金、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)とも掛金は全額所得控除

国民年金基金の掛金は社会保険料控除の対象、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象です。両制度とも掛金が全額所得控除となり、所得税・住民税の節税になる点は同じです。

しかし、社会保険料控除は、生計を一にする配偶者や家族分の掛金も控除対象となります。つまり、所得が多く所得税の税率が高いドクターが配偶者等のご家族分の国民年金基金掛金を支払った場合、ドクターの所得から控除が可能ですので、節税額は大きくなります。

一方、小規模企業共済等掛金控除については、本人分の掛金のみが控除の対象になります。よって、ドクターが配偶者や家族分の個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の掛金を支払っても控除の対象にはなりません。

 

 

5.付加年金との関係

国民年金基金の加入者は、付加保険料を納めることはできません。

一方、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の加入者は、付加保険料を納めることが可能です。但し、掛金上限が月額68,000円から月額67,000円に下がってしまいます。
参照:国民年金の付加年金制度とは?|メリット・デメリットまとめ

 

 

6.国民年金基金には積立不足があり、破綻の可能性がある?

実は、国民年金基金には積立不足問題が存在します。積立金の運用状況は悪く、加入者に約束する予定利率は、以下の通り段階的に引き下げられてきました。

5.5%(平成3年)⇒ 4.75%(平成7年以降)⇒ 4%(平成12年以降)⇒ 3%(平成14年以降)⇒ 1.75%(平成16年以降)⇒ 1.5%(平成26年以降)

しかし、予定利率が下げられても加入時の予定利率は保証されます。例えば、予定利率が5.5%の時代に基金に加入した加入者は、予定利率が1.5%に下がった現在も5.5%の予定利率が保証されています。

よって、実際の運用利回りが、高い予定利率を下回ってしまうと逆ザヤとなり、積立不足が発生します。積立不足の状況が悪化すれば、その解消のため、約束している将来の給付額が引き下げられる可能性があります。

また、国民年金基金は積立方式で、加入者が積み立てた掛金を年金で受け取ることになっていますが、実はその積立金は加入者ごとに明確に区分されていません。財政状況によっては、予定利率が高い加入者の積立不足を他の加入者の掛金で穴埋めするという事態も発生するかもしれません。

ただし、現在の国民年金基金の積立不足が即制度の破たんにつながるわけではありませんし、今後の運用環境がどう変わっていくかは誰にも分かりません。積立不足が早期に解消される可能性もゼロではありません。

一方、個人型確定拠出年金は、国民年金基金のように予定利率の保証はありません。また、加入者毎に積立金(掛金)が明確に区分して管理されているので、他の加入者の積立不足を補てんするような問題は発生しません

 

 

まとめ

どちらの制度を選ぶかを判断するには、両制度の違いを理解する必要があります。掛金を自分で運用する自信はなく、運用で損をするようなリスクは取りたくないという場合には、積立不足の問題はありますが、国民年金基金も選択肢になるでしょう。

また、手数料は必要ですが、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)で元本保証の商品を選択するという方法もあります。

一方、ある程度の運用のリスクは覚悟していて、今後のインフレリスクを心配している方は、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)で投資信託等の商品を選択するといいでしょう。

また、国民年金基金には、15年保証期間付の終身年金A型保証期間なしの終身年金B型があります。平均寿命が延びている状況を考慮すると、加入者が亡くなるまで年金が支払われる終身年金には大きなメリットがあります。
参考:「確定年金」「終身年金」「有期年金」の違いとは?

よって、拠出限度額の一部を国民年金基金の終身年金に拠出し、残りの部分をインフレ対応として個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)で運用するという方法もあります。

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